2010/04/23

成田空港、居残り佐平次、ニューヨーク

$♪ラストゲームはあなたと♪-成田ひさしぶりに成田空港へ行ってきた。
ヤボ用でね。

ニュースのとおり、いましたよ、居残り。
飛べたてない方々、20人ぐらい。

に寝転がっているのかと思ったら、椅子に座っていました。
シンドそうな状況かと想像していたら、意外と快適そう。

いや、快適と言ったら怒られるが、
なんたって外が寒いから、温かいだけマシかと・・・


、若いころの話。
ニューヨークのPort Authorityというバスターミナル。

5時15分発のバスに乗る予定があり、
寝坊が心配だったのと、宿代の節約の一石二鳥を思い立った。

11月のニューヨークはすでに相当に寒く、
バスターミナル内では待合所だけが唯一温かかった。

夜10時ごろまでは普通に込んでいたターミナル内も、
徐々に人影がまばらになってきた。

$♪ラストゲームはあなたと♪-NY-IMAGE12時過ぎにその日の最終バスが出て、待合室の中は数人を残すのみになった。

その数人のうちのひとりが自分だ。

消灯し、静まりかえった待合室。
椅子に座り、じっと目を閉じていた。

午前1時を過ぎたあたりから、徐々に人の気配がし始めた。
始発バスの利用客にはまだ早過ぎる時刻。

目を開けるといつのまにか待合室の全席がうまっていた。
明らかに旅行者とは思えない風情

ホームレスが集まってきたのだ。

とんでもないことになってきたな、と思いつつも目が合えば会釈
声は出さずクチビルの動きだけで「ハ~イ」と。

彼らにしてみても、普段見かけない怪しげな東洋人
警戒感が表情に表れていた。

人数が増えた待合室で、身を縮めながら、眠りに落ちていった。

ガン ガン ガン

いきなりの大音が耳をつんざいた。
生易しい音量ではない。

その不意打ちに身体か凍り付いた。
一瞬で覚醒、眠気はすっとんだ。

戦場はこんな感じなのか・・・なんてことは後になっての思い出話。

電気が一斉に点いた。

目の前に警察官が4、5・・・6人
プロレスラーもどきのばかデカい男が大声で怒鳴っていた。
金属製ダストボックスを警棒でたたく男もいた。

ガン ガン ガン

名目は不法侵入者の排除。
容赦なしだ。

ボクは首根っこをつかまれた。
あろうことか巨漢の婦人警官に。

違う、自分はホームレスではない。旅行者だ」

あわててバッグからパスポートを取り出そうとした刹那、
Don’Move! Stay there!  指差しで怒鳴りつけられた。

まずい!

そうなんだ、ここはの国だ。
あやしい動きが命取りになる。

それが頭をよぎった瞬間、全身を恐怖心が駆け巡った。

フリーズするしかなかった。
息をするのも躊躇われるほどに、固まった

巨漢の白人警官と目があった。
刺激しないよう、ボクは卑屈な態度で訴えた。

自分は善良で無垢で気だてのいい、か弱い日本人旅行者であると、
トヨタもダットサンも、ソニーもパナソニックも日本製だと、
ちょっと早めに来過ぎたが、朝5時のバスを待っているんだと・・・

巨漢が睨みつけるようにして言った。

「いいから出て行け~!

イエッサー!

待合室はあっという間にカラに。

$♪ラストゲームはあなたと♪-NY-NIGHT時計は4時少し前をさしていた。
外は厳寒

さすがに真っ暗闇の42丁目付近を歩く気にはならず、しばらくターミナル内をほっつき歩いた。

30分も歩いただろうか、待合室近くに戻ってきていた。
あたりは静まりかえっていた。

なにげなく待合室をのぞくと、なんてことだ。
追い出されたはず連中が、ちゃっかり元の席に座っているではないか。

なるほど~、そういうことか。
ボクもすかさず元の席に戻った。

目だけで周りに会釈

ザマ~みやがれ!
声に出して叫びたい想いがこみ上げたのだった。

成田空港のホームレス、いや、間違った。
外国人旅行者たちを眺めながら、昔のできごとをつかの間想い出した次第です。

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