クルマを走らせながら、
「この建物がアマゾンの本社なんだよ」
「なんですか、それ?」
2007年の夏のシアトル。
旅行の同伴者で、大学院生の甥っ子はアマゾンの存在を知らなかった。
ひとしきり、アマゾンがどんな会社かを説明して、
「で、要するにさ〜、危なっかしいんだけど、CEOの心意気がいいんだよ」
ボクも経営者の端くれなので、経理上、
当時のアマゾンの無謀さはちょっと信じがたかったのだけど、
反面、そのチャレンジ精神は大いに見習うべきところがあった。
「こういう会社に就職すると面白いんじゃない?」
ハンドルを握りながら、
甥っ子とアマゾンの両者に対して上から目線で語ったことが、今では恥ずかしい。
先見の明があったと自慢したいところだが、
人さまの成長を見守っただけだ。
あの当時、アマゾンの株を買っていたら10倍近くになっている。
甥っ子は、今年、九州の大学に教授として赴任した。
ともに、大化けだ。
ため息が出る。
アマゾンの「一日限定バーゲン」でキンドルfireを買った。
手元に届いて開封した途端、なんと間がいいというか、悪いというか、
米国在住の子どもからLINEにメールが入った。
「日本仕様のキンドルを買いたいんだよね」
「いいタイミングだよ〜。いいのあるよ〜。すぐ送るよ〜」
翌日、梱包して送ってしまった。
いやね、最近は人さまの成長が楽しみになってきたのさ。
大化け期待。
くやしいけどね。