2017/03/14

『友よ、再び』という曲をJohnに贈る



 人の死について書くことはしてこなかった。オヤジの時も、弟の時も、親友の時も。死について語ることには意味が無いと思っているからだ。「さよなら」「じゃ、またね」くらいのことだと思っている。どんな間柄であっても最後はそんな締めくくりになる。どうあがいても避けられないことにはとやかく言わない。そう思っている。だが、今日はちょっとだけ書いてみる。野球つながりの友人が他界したからだ。

     ☆

 友人の米国人、John Baessler。昨秋に会った時、すでにガンが発症していて、その後、余命に限りがあると聞かされていた。年末、メキシコのティファナから届いたメールが最後になった。

     ☆

 Johnと始めて会ったのは2007年。米国人の草野球チームが旅行を兼ねて来日した時だ。
 
「日米で草野球大会をやらないか?」
 前年あたりから、米国の幾つかの草野球サイトにメールをしていた。それがどこでどう回遊したのか知らないが、そのメールがJohnに届き、Johnから日本のカブスという草野球チームに連絡が入り、カブスからボクにメールが入った。世田谷公園で米国人チームと試合をするので来ないか、という誘いだった。

 Johnはハワイ在住。若い頃、日本に住んでいたことがあるとかで、流暢な日本語を話した。かなりの日本通で日本人の性格も草野球事情もよく理解していた。初対面からウマがあい、気のおけない友人になった。お互いのプライベートはあまり語り合わないのだが、グランドでは仲良しという、まさに草野球のチームメイトのような関係だった。

 Johnとは定期的にメールのやりとりをし、ボクは年に1度来日する米国人チームの試合をお膳立てすることになった。毎年、年明け早々から計画メールが入った。「気が早いな〜」と返していたのだが、仲間のために尽力を惜しまない、思いやりのある真面目な男だったのだ。

     ☆
 
 Johnは人生の思い出に短い旅をした。立ち寄ったティファナから送られてきたメールには、ティフアナの草野球事情が記されていた。その時のJohnの心情をボクは知るよしもない。が、あえてこう返信した。

「なにやってるんだい、ジョン、そんなところで? 次はメキシコか? いいね〜、ボクは参加するよ」
 

You are an Ambassador of Baseball and World Friendship. 
Me too!

We should bring a team Mexico. 
Really. 
American and Japanese team?

Aloha, John

     ☆

 『Love Takes Time』という曲がある。1979年の曲だ。オーリアンズはパッとしないバンドだったが、ボクはたまらなく好きだった。Johnが好きだったかどうかは知らないが、たぶん世代が近いからこのバンドのことは知っていたと思う。邦題は『友よ、再び』と付けられている。訳のニュアンスは微妙だが、ま、いい。今日はそんな気持ちをJohnに伝えたい。

John、キミとまた野球がやりたいよ!



「友情を深めるには時間がかかるものだけど、
キミとボクにはまったくあてはまらないね」というような内容。
勝手な意訳だが・・・(^^)



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