2022/07/24

Tranquiloというチーム名に惹かれて…

 

 

連日の猛暑に加えてコロナ拡大、それに1年以上のブランク。

さすがに体力に自信がなくて断ろうかと考えていた助っ人の依頼。

マッドドッグスのホームページの試合予定を見に行ったら、対戦相手のチーム名が「Tranquilo」となっていた。

バカバカしいと思われるだろうが、このチーム名で俄然参加する気分が高まった。「Tranquilo」と称するチームのメンバーに会いたくなったのだ。

「Tranquilo」

ボクにとってこの単語は忘れ難い人生の一コマに登場する。

1982年の秋、メキシコ。
ティファナから長距離バスに乗り込んだ。

バスはカリフォルニア半島を南下し、ラパスへと向かっていた。車窓からは永遠と続く砂漠に時折サボテンが顔を出した。バスの乗り心地は相当に悪く、冷房も効かず、10時間近い道中は過酷だった。

道すがら、運転手が大音響でラジオをかけていた。サービスのつもりなのか、個人的な趣味なのか、わからない。メキシコ人の乗客たちは何事もないように静かに乗っていた。

スペイン語がわかず、睡眠を邪魔するノイズでしかなかったが、これがメキシコ流なんだと自分に言い聞かせ耐えていた。

繰り返し流れていた陽気なマリアッチ。うつらうつらしていた刹那、思いがけないサウンドが流れ出した。


グッと胸に迫ってきた。心地のよいサウンド。

この曲はその後、旅の途中で幾度となく耳にするようになる。その年のヒット曲だったとあとで知った。

またかかった。あ、またこの曲だ。

ベラクルスへの道すがら、運転手にジェスチャーでたずねた。
「これはなんだ」と…

笑いながら教えてくれた。
「Tranquilo」(トランキーロ)


ちなみに対戦チーム名の由来はプロレスだった。監督がプロレスファンだそう。スポーツ界では「あせるなよ」という意味で使うらしい。
そして「Tranquilo」を唄う歌手はJOSE JOSE(1948–2019)。メキシコの布施明といった感じかな😁
別れ話の相手へ最後に贈る言葉として使っている。
「元気でね」
そんな感じ。