つり革につかまるボクの真下で、女の子がファンデーションを塗り始めた。
出勤途上のできごと。
イヤなんだよな~、こういうのと遭遇するのが・・・
初級いきなりブラッシングボールが来たみたいな気分。
で、それを黙って見過ごせない悲しい性。
すぐに止めるかも、と希望的観測でしばらく我慢した。
なかなか止めない。
今度は眉を描き始めた。
片方の眉だけでは気の毒だと思い、2本描き終えるのを待ってから声をかけた。
「電車の中でさ、ケショ・・・・」
「ハイ! すいません!」
言いかけただけなのに、あっと言う間の作業中止。
すかさず寝たふりモードに突入。
バツが悪かったんだろうね。
それに当初から<まずいかも>という自覚はあったのかもね。
けっこうイイコじゃん。
かわいいし。
なんだかいじめちゃった気分で暗くなる。
もっと優しく言えばよかったと、後悔しきり。
「すっぴんでも十分きれいだと思うよ」
のひと言でよかったんじゃないか?
あ~あ~、嫌われちゃったかも・・・悲しい。
続いて昼の回転寿司店。
若い4人の女の子が談笑していた。
食べ終えてからしばらく時間が経過している様子。
その4人組、ひとりは日本人で、残りは韓国人と中国人。
話の内容から、おそらく留学生仲間。
ボクは5皿目になった。
彼らのお話はまだ続いていた。
ボクが着席して以来、彼らは注文をまったくしていない。
カウンターの職人も他の客もイライラしている様子。
ここでまた、黙って見過ごせない悲しい性が勃発。
しかし、今朝の教訓が生きている。
優しく言わねば・・・
4人のうちの日本人に向かって・・・
「あの~、すいません」
「は~、なにか?」
「そちらの方々に日本文化を伝えていただきたいのね」
「は~、なんでしょう?」
「回転寿司の回転という意味はね、お客のことなんだよね、実は。そのことを伝えてほしいな」
「えっ? はっ、はい!」
優しく言ったつもりだったのに、あっと言う間に撤収・撤退。
そこまであわてなくてもいいのにと思うくらいの素早さ。
まるで逃亡。
また、いじめちゃった気分に突入。
嫌われちゃったよ~!
カウンターの中の寿司職人のおやじ、満足そうな含み笑い。
おまえが言わんから、オイラがこんなツライ目に合うんだ~。
サービスで<一皿どうぞ>ぐらいの粋さがね~のかよ、って言っちゃうとまた嫌われるのでガマンした。
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