2009/12/25

東京信用金庫の青年

25歳。

前任者から引き会わされた時、
なんでこんな世間をまだ知らないような若造
ウチの担当なのよとクレームをつけたほどの
おとなしめの草食っぽいタイプ。

その後、なんどか会ってお茶など飲みながら
世間話をしたりして、多少の距離は縮まったものの、
どうも頼りない印象はぬぐえなかった。

先月、電話があった時に、
「あ、あの~、ボク、明日試合なんです」と。
「なんだ、野球やってるんだ?
「あ、いや、上司に出ろって言われたんですよ」
「なるほど~、メンバー足りないのか~。俺が助っ人に行ってやるよ~
「あ、いや、それは大丈夫だと思いますけど・・・」
「なんだそれ! 行くわけないだろ~

なんて話で終わったのが、
今日、年末の挨拶で青年から電話がきた。
「そういえば、どうだったんだのよ、試合は
「あ、はい、ピッチャーやらされまして」
「うん、で?
「あ、大会の決勝だったんですよ」
「え? で?
「あ、はい、優勝しちゃいました」
「なぬ? ちょっと、どういうこと?

聞けば<がんばろう野球大会>での決勝戦だとか。

ボクはあわててサイトを調べた。
3-0、完封してるじゃないか。

「あのさ、どういうこと?
「あ、いや、本来はショートなんですけど、ピッチャーやらされまして・・・」
「そういうことじゃないの? キミは相当にうまいわけ?
「あ、いや、ど~すかね~、そうでもないと思いますけど・・・」
「だって完封してるじゃないの?
「あ、上尾市民のスピードガンでは133キロ出てましたが・・・」
「・・・

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