ず~っと井上陽水の特集を観ていた。
いくつものメロディがいろいろな思い出と重なった。
渋谷。
パルコが建つずっと以前の話。
まだ「公園通り」と呼ばれていない、ただの無名の通り。
店の名前は忘れてしまったけど、
ガラス越しに通りが眺められる喫茶店。
渋谷区役所のアルバイトを終えたHちゃんが、
坂を下って店の前を通り過ぎるのが5時20分ごろ。
ボクは毎日、その時刻に喫茶店の窓際に座り、
Hちゃんが通り過ぎるのを眺めていた。
ただ眺めていただけ。
通り過ぎたHちゃんの後姿を見送った後、
ボクはひとりでいつもそこへ行った。
坂の途中にある山の手教会の地下。
そこにライブハウスの「ジャンジャン」があった。
まだ無名だった彼は週に3~4日は出演していただろうか。
ボクはそこで何度か彼の歌を聴いたのだった。
Hちゃんはその後、区役所のアルバイトを辞めた。
そしてボクの渋谷通いも終わった。
後でわかったのだが、
Hちゃんは結婚して東京を離れたのだった。
若き日の情けない自分の姿が
この曲を聴くたびに思い出される。
0 件のコメント:
コメントを投稿