2011/11/26

談志が死んだ、ってか

初めて「小ゑん」を見たときのギャグ。
自分の顔を指差し、目を見開いて
「大きい目、大~目に見てもらいたい」
テレビ番組で中国人に扮してコマーシャル
「香港焼きそば、ホンコンにうまいよ」

未だ鮮明に覚えている。
まだ小学生だった当時のボクは腹を抱えて大笑い。
以来、ボクのアイドル。

高校生の頃、西武新宿線で乗り合わせたことがあって、
師匠が折り際、アタッシュケースが開いてしまい、中のものが散乱。
拾い集めるのを手伝ったことがある。
「ありがとよ」 「はい」

今はなき、幻の旧池袋演芸場。
全席畳敷き。
トリが談志だて〜のに、客がまばら。
大学生のボクを含め、数人しかいなかった。
その状況に相当に頭に来ていたんだと思う。
ムキになってか、それはもう、これでもかというほどの熱演。
「紙入れ」
艶笑落語だ。
迫真のクライマックスで、急に話を止め、こちらを見て「ニヤッ」と。
「どうだい若いの、俺の話はイロっぽいだろう」

サラリーマン家庭じゃなければ、ボクが志の輔になっていた。

人は、いずれは死ぬものだから、
亡くなったことは受け入れられるのだけど、
あの洒脱な、でもって奥深いジョークが、もう聞けないのは悲しい。

ボクが晩年に愛したのは、演目もさることながら、
なにが飛び出すかわからない師匠のひと言、ひと言。
スリル満点。
あきれるほどの面白さ。

ひたすら合掌だい。



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