2016/01/22

テイク・イット・イージーは別れの言葉

2016ケニー1980写真
1980年のニューオーリンズ。スーパードームに向かう途中、通りがかった人に撮ってもらった一枚。
コンサートの出演者はイーグルス、フォリナー、チープトリックの3バンドだった。


帰宅するやいなや
「じゃかじゃ〜ん、訃報ですよ〜」と笑いながら言われたから、
「知ってるよ〜、もう」と。

てっきり、ツイッターで知ったグレン・フレイ情報のことかと思ったら、親戚の話だった。
世田谷のオジサンが亡くなったと。

材木店の主人だったオジサンには生前けっこうかわいがってもらったので、
ここはひとつ「寂しい〜」と言いたいところなのだけど、
認知が入って周囲の人間がわからなくなった数年前に、「寂しい」は体験済みで、
すでに80代も半ばだったので、ここは「お疲れさんでした」と言っときます。

いいオジサンだったけれど、子育てはうまくいかなかった。
働きもんで心優しくて人情味があって世田谷に大きなマンションを建てて、と
世間からは非の打ち所がない立派な人が、ろくでもない子どもを育てる。
詳細は書きませんが、一応親戚なので、ま〜よくある話です。

そういうわけで、同日のグレン・フレイの死の方に「グッ」ときました。

あれは1976年2月、イーグルスの初来日でしたね。

テープレコーダーをボストンバッグに入れて武道館に持ち込んだんです。
ヒヤヒヤでしたが、警備員にバッグをちらっと見られただけで無事通過。

のどかな時代ですよ。

もっとも、初代ウォークマンが発売されたのがそれから3年後ですから、
ライブを録音する行為、いわゆる盗み録りですが、まだ一般的ではなかったですね。
すいません、若気の至りです。

デバイスが発達した今日では、写真は撮られるわ、録音はされるわ、メールは読まれるわ、
ホントに油断も隙もあったもんじゃない時代になったと思いますが、
互いにやりあって罪の意識もないようなので、それなりに、のどかな時代なのかも知れません。

アリーナの前列3番目に座り、こっそり録った貴重なライブ音源が、
120分のカセットテープの裏表に入っているわけです。

一緒に行った、その当時の彼女の声も入っていますから、
これはもう「超超超・・・、お宝」なんですよ、ぼくにとっては。

う〜んもう、その声を聴くだけで泣けちゃう。
どっちの?

グレン・フレイの訃報を聞いて、矢も盾もたまらず、テープを探したのですが・・・
これが見つからないんです。
捨てるわけがないんですよ、「超超超・・・、お宝」ですから。

部屋のどこかにあるはずだ、押し入れの奥に入れちゃったかな〜と、
カバンの中も机の中も探したけれど見つからないのにまだまだ探す気ですか、ですよ。

もはや大掃除一歩手前になってきたので、季節を改め出直すことにしました。
片付け始めた刹那、背中に
「過去を振り返ったって仕方ないでしょ」という声がしました。

そりゃそうだ。
そりゃそうだ、とは思うのですが・・・困ったものです。

グレン・フレイに、オジサンに、そして過去の自分に、

「テイク・イット・イージー(じゃ〜な)」


今の時代はこんな隠し撮りはOKなんですね。いや隠してもいないな〜。
グレン・フレイが亡くなった翌日のジャクソン・ブラウンのコンサートの模様。


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