2012/03/25

阿部捕手は巨人軍に入りたくなかったのかも

朝日新聞 裏金

朝日新聞のトップでその記事を見て以来、ずっと不思議だったこと。

阿部捕手 10億円
野間口投手 7億円
高橋選手 6億5000万円
上原投手 5億円+功労金1億2000万円
二岡選手 5億円+功労金7000万円
内海投手 2億5000万円

この金額の差です。

トップの阿部捕手の10億円。野間口投手との差は3億円です。内海投手にいたっては7億5000万円も差があります。こんなに差があるのって不思議じゃないですか? どうやってこの金額が決まったのでしょう。

プロ野球も企業活動ですから当然のこと利益を追求します。大きく稼ぐだけでなく、無駄な出費を抑えることも経営の基本ですから、闇雲に10億円という数字を出すわけはありません。金持ち巨人軍としても、2億5000万円で済むなら、それに超したことはないわけです。

オークションだったらあり得ますね。阿部選手に対して、8〜9億円を提示したチームがあって、競り合ううちに、10億円になったということはあるかも知れません。まさに市場価格ですから、2億5000万円での落札もあれば、10億円での落札もあるわけです。もしそうだとすると、巨人軍だけが悪者扱いされるのは気の毒ですね。朝日新聞には競っていたチームも公表していただきたい。

ただ、最近の内海投手の暗い表情を見ていると、この数字の差に、けっこう傷ついているからではないかと思ったりします。なぜ傷ついているか。実はこれ、オークションではなく、巨人軍との直接交渉で決まった数字だったからという見方もできます。「え〜っ、阿部さん10億円だったの〜。ボクももっと粘ればよかった〜」。自分の交渉力のなさ、駆け引きの弱さ、人の良さに腹が立っている。これです。

ご存知のように、逆指名制度は、大学生と社会人野球の選手が自分の希望するチームを宣言でき、自分の好きなチームに入団できるシステム。今はもう廃止されましたが、当時は、選手争奪戦で契約金が高騰するのを避けるために、球団間の紳士協定で契約金の上限を1億円と定めていました。ですので、契約金に差がないとすれば、選手にとってはまさに一般的な就活と同じですから、チームを選ぶ理由はこんな感じでしょうかね。

「子どもの時から好きだったから」「先輩がいるから」「優勝しそうな強いチームだから」「憧れの選手がいるから」「出番が多そうだから」「明るい雰囲気のチームだから」「生まれ故郷に近いから」「彼女が好きなチームだから」

それに対し球団は、「うちはテレビにいっぱい映るよ」とか、「球場には屋根があるし人工芝だよ」「寮の食堂のご飯は美味しいよ」「女子アナと出逢うチャンスがけっこう多いよ」「転勤はあまりないよ」とか、いろんな魅力を企業説明会や面接で話すわけですね。

で、思うに、阿部捕手や野間口選手を始め各選手は、当時、巨人軍に入りたいと思っていなかったのではないかと。巨人軍が最初の交渉で「うちを選んでくれないか」と頼んだ時に、阿部選手には「すいません。他に決めているので・・・」、野間口選手には「ボクは子どものころから〓〓に行きたかったので、ごめんなさい」、上原選手には「ボクはメジャー指向ですので、ソーリー」なんて返事をもらったのではないかと思うわけです。

巨人軍にしてみれば、この事実は非常にショック。後輩に人気で抜かれるアイドルみたいな気分でしょう。「巨人」ブランドの凋落を思い知らされ、さぞかし口惜しかったことでしょう。そこで「金はいくら使ってもいい。とにかく絶対ものにするんだ。どんな人間だって金の魔力には屈するものさ」と、ナベちゃんが言ったかどうかはわかりませんが、スカウトに大号令がかかったわけですね。

そういうことが実際にあったと仮定して、もう一度、各選手の数字を見返すと、ほら、見えてきませんか。スムーズに交渉が進んだ内海投手、最後の最後まで交渉がもつれた阿部捕手、という図式。

「本当は巨人軍に入りたくなかったランキング」輝く第一位、阿部捕手。難色を示せば示すほど、金額がつり上がった結果としての数字。土地の立退料と同じです。「ダイヤモンドに目がくらみ〜」。熱海の海岸で、貫一がお宮を足蹴にしてに言ったセリフ。古過ぎてピンときませんね、すいません。つまり、かたくなに巨人軍入りを拒んでいた阿部捕手でしたが、10億円に目がくらみ〜。

でも、阿部捕手を責めることはできません。もし自分がその立場だったら、いかがですか。ボクは無理です。10億円なんてとんでもない。1000万円どころか100万円、10万円、いや、プロ野球に誘ってくれるなら無料でもいいと思っちゃう質ですから。

奇しくも阿部捕手の背番号は10。それを見るたびに、小声で「億円」とつぶやいてしまう今日この頃。さらに奇しくも阿部選手の名前は慎之助。顔を見るたびに「お金クレヨンしんちゃん」と呼んでしまう今日この頃。「この男のミットにボールを投げるのは嫌だな〜」と気持ちがすぐれず、あれこれ思い悩んで落ち込んでしまう症状が「鬱み病」と呼ばれ出した今日この頃。

プロ野球がついに開幕です。

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