2006/09/26

謎のハム・ファイターズ

 イリノイ州ウィネトカに住む、36歳のマーケティング担当重役K・ウェルシュが、ぼくに調査依頼の手紙を書いてきた。
「最近、小生、ニッポン・ハム・ファイターズなる名の、日本のプロ野球チームがあることを知りました」とウェルシュ。
「その名前が、頭から離れません。"ハム・ファイターズ"とはなんのことか? なぜ野球チームが"ハム・ファイターズ"などと呼ばれているのだろうか?」

 さまざまなイメージが、ウェルシュの心に浮かんだ。ハムを戦闘の武器として使う野球チーム・・・手にしたハムの棒を振りまわし、相手に殴りかかるわけだ。
「それにサムライがブタを撲殺しようと追いかけている光景さえ、頭に浮かんでくるんですよ」とウェルシュはいった。

「なぜそんな名前がつけられたのか、知りたいんです」
 彼はまったく真面目だった。それでぼくは、論理的な行動に出た。飛行機に乗り、東京へ向かったのである。


著名なコラムニスト、ボブ・グリーンの作品。
本棚の隅にあったのを引っ張り出して読み返してみた。

ぼくは何人かの野球ファンの日本人に、ニッポン・ハム・ファイターズについて訊ねてみた。
「あのチームには、みんなほとんど関心を持ってないんですよ」と35歳のキヨシ・ニシカワはいった。
「ときには、スタンドにいる観客の数より、選手のほうが多いこともあるくらいでね。本当にあのチームは人気がないんだ」


今から18年ほど前のコラム。ボブ・グリーンのコラムが好きで読み漁っていたら、この一文に出会って、思わず笑ってしまった。

 それでぼくは、ニッポン・ハム・ファイターズが所属しているパシフィック野球連盟のオフィスを訪ねてみた。
 ぼくはパシフィック・リーグの広報部長、パンチョ・イトーと会った。(そう、わかっているよ。ぼくだって信じられなかったんだ。しかし、彼の名前はホントに、パンチョ・イトーというのだ)
 自分が抱いている疑問を、ぼくは説明した。パンチョ・イトーは笑い出した。


この頃、ぼくもパンチョ・イトーに質問している。
「芸能界でパ・リーグのチームが好きな人はいませんか?」
電話のむこうで、すぐさま5~6人の名前をあげてくれた。
パ・リーグが好きな人、ホントに少なかったのよ。

さて、太平洋を越えてやってきたボブ・グリーン、ひいてはウィネトカのケヴィン・ウェルシュが納得のいく回答を得られたのか。機会があったら続きを読んでみてください。

本日は日本ハム・ファイターズの優勝を記念して、こんな一文を書いてみました。
本当にさわやかな優勝だね。

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